今回は「塞王の楯（著者：今村翔吾）」という小説を評価レビューしていきます。
【あらすじ・内容】塞王の楯、どんな話？
「塞王の楯」とは、今村翔吾の小説で、第166回直木賞を受賞した戦国時代を舞台にした作品です。
この物語は、石垣職人と鉄砲職人の宿命的な対決を描いています。
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物語は、主人公・匡介の故郷（越前の一乗谷城）が織田信長によって襲撃され、家族を失うところから始まります。
匡介は石垣職人の源斎に助けられ、穴太衆の飛田屋で育てられ、後継者として成長していきます。
彼は、“絶対に破られない石垣”を作ることで戦をなくすことを目指し、技術を磨き続けます。
一方、国友衆には、真逆の考えを持った男がいました。
その男の名は、国友衆の次期頭目・彦九郎。
“どんな城をも落とせる矛（鉄砲）”を作れば、皆が恐怖し戦争など起こらなくなるだろう…という信念。
彼もまた、その信念を胸に日々技術を磨き続けました。
そして秀吉の死後、再び乱世が訪れます。
穴太衆・匡介は大津城の城主・京極高次から石垣の改修を任されます。
一方、国友衆・彦九郎は、大津城を攻め落とさんとする毛利元康から鉄砲の製作を依頼されます。
以前から、矛（鉄砲）と盾（石垣）ということで、敬遠の仲であった国友衆と穴太衆。
大津城を舞台に、運命の対決が始まります。
【口コミレビュー・感想】塞王の楯 今村翔吾
“塞王の楯”
直木賞受賞作をAudibleにて。
導入の掴みはドラマ的で、興味を持って聴き入ることができた。
ただ、石垣やら何やらの説明が多すぎたからか、オーディオブック（Audible）で聴くと、少し疲れてくる。
なのでこの本は、紙の本でじっくりと読んだほうが、楽しめる内容なのかもしれない。
ただそんな中でも唯一、印象に残っている人物がいる。
大津城の領主・京極高次だ。
“戦は下手だが、人情味に溢れている”愛されキャラ。
別の言い方をすると、自分の能力はあまり高くないが、人柄が良すぎるため、多くの有能な配下が集まってきている…という感じ。
聴いていても、心温かくなる行動が多く、この小説で1番心動かされるキャラだ。
本来は、「石垣 vs 鉄砲」がメインの話だとは思うが、
個人的にこの領主に惹かれ、最後まで読み続けた感はある。
ただ先ほども言ったが、オーディオブックのように聞き流す感じだと、初めての知識も多いので、絵を思い浮かべるのが難しいかもしれない。
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