今回は「ゴリラ裁判の日(著者:須藤古都離)」という小説を評価レビューしていきます。
著者:須藤古都離
声優・ナレーター(朗読):三木美
再生時間:12時間
【あらすじ・内容】ゴリラ裁判の日、どんな話?
「ゴリラ裁判の日」とは、須藤古都離のデビュー作で、特異な知能を持つゴリラの物語です。
(※第64回メフィスト賞を受賞した作品)
・・・
主人公は、ニシローランドゴリラ(女、カメルーン生まれ)のローズ。
ローズは、人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し話すことができる特別な存在だった。
そのため次第に、人間とゴリラの間での存在意義(人権)の問題が問われるようになってきた。
そんな中で起こった悲劇。
動物園で一緒に暮らしていた夫であるゴリラが、ある事件によって射殺された。
人間側は動物園の行動を問題ではないように処理しようとしていたが、ローズにはそれが許せなかった。
そしてついに、人間と同じように“裁判”を起こすことになるのだが…
【口コミレビュー・感想】ゴリラ裁判の日
“ゴリラ裁判の日”
第64回メフィスト賞をAudibleで聴いてみた。
まず、“ゴリラ裁判の日”を読んだ後の率直な感想だが、
面白い小説…というわけではなく、(しいて言うならば)興味深い小説…といった感じ。
一応テーマとしては、
「もし、人間と同じように行動できるゴリラがいたら、そのゴリラには人権が与えられるべきなのか?」
といったような主題となっている。
もしかしたら、評価されやすいテーマを扱っているのかもしれない。
だがエンタメ小説としては、そこまでワクワク感がなく引き込まれなかった。
(早い段階での回想シーンも、冗長と感じる退屈さ)
他にも、冒頭のローズ視点の描写で、お腹の中(産まれる前)の描写がなぜ可能なのかは謎だった。
人間レベルに知能が高いとはいえ、人間ですら不可能な認識力を持っている(そういう設定あったかな?見落とした可能性もあり)
それ以外にも、設定がブレブレの部分も多く、???は常にある小説だった。
ただメフィスト賞受賞作とはいえ、デビュー作なので、これぐらいの気になる点があっても許容範囲かもしれない。
今回は(というよりいつも)辛口レビューだが、気になった方はぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。
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