今回は「海賊とよばれた男(下) （著者：百田尚樹）」という小説を評価レビューしていきます。
【あらすじ・内容】海賊とよばれた男(下)、どんな話？
「海賊とよばれた男（下）」とは、百田尚樹による小説で、実在の人物である出光佐三（出光興産の創業者）をモデルにした物語の下巻です。
作中では、国岡鐵造（国岡商店）として物語が展開されています。
（※物語の全体的な内容(あらすじ)は、海賊とよばれた男「上巻」にて解説）
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戦後、何もかも失った国岡商店。
石油に限らず、あらゆる事業に手を出し生き延びてきたが、ようやく石油販売が可能となる所まで来た。
しかし、石油市場を支配していた７つの魔女(セブンシスターズ)は、簡単にはそれを許さなかった。
国岡商店は、あらゆる妨害を受けながらも、
石油タンクの所有・タンカー（液体の大型輸送船）の造船などを進めていく。
だが、肝心の“石油の輸入”が容易ではなかった。
欧米諸国は、戦後の日本を骨抜きにしようと、あらゆる理由をつけて、主要な石油産出国からの輸入を困難にしていたのだ。
そんな中、ある男が１つ提案を持ちかけてくる。
「イランから、石油を輸入しないか？」
その当時、イランの石油はイギリスが管理するような状況となっていた。
そのため、イランからの石油輸入は“イギリスを敵に回す”のと同じことだった。
鐡造は１度は断ったものの、イランが長年にわたりイギリスに搾取され続けている現状を知ると、イランからの輸入を決断した。
だが、過去イランから輸入を試みた船は、英国東洋艦隊に沈められた事件もあった。
イランとの交渉・英国艦隊から逃れる航海…など、国岡商店の命を懸けた戦いが始まった。
【口コミレビュー・感想】海賊とよばれた男(下)
“海賊とよばれた男(下)”
上巻に続いて、Audibleにて。
下巻はどのように展開していくのかと思っていたが、
いきなり（第３章）エンタメ的には、１番の盛り上がりポイントかもしれない。
捕まれば終わり。
イギリス海軍の目をかいくぐり契約を押し進める、まさに命を懸けた航海。
この物語で１番の“手に汗握る”緊迫した展開が描かれていた。
そして、国岡商店の恩人とも言える“日田重太郎”との別れ。
この男なくして、国岡商店（出光）は存在し得なかった。
昨今のビジネスは、人情なんてものは消え去ったようにも感じるが、
やはり、人と人との関係を重んじる物語は、とても美しく心が温まる。
歴史と人情を学べる、素晴らしい物語だった。
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